茶室

茶室

日本人の楽しみは奥が深い。だから長続きする。囲碁は一生ものだ。さらに茶道となると幅が広く、奥も深い。極めようとしても行きつくところがない。露地入りからの作庭に始まって茶室のしつらい、さらには茶の作法、会話まで、それは日本の精神文化の凝縮であり、総合芸術の集約でもある。

四畳半という小空間の茶室は日本建築の粋だし、縦七○センチ前後、横幅六五刊ン前後の小さな出入口である「にじり口」は茶の湯を楽しむ異空間へ誘う絶妙の設計だ。茶道具、床に飾る掛物や花など、一つひとつに意味があり、想いがある。ご亭主の客をもてなす心意気が隅々にこめられている。

茶の湯は「客をもてなす」遊びである。公家、武家、そして庶民へと広まった。客を待ち、客を迎える亭主の心入れと喜びを表現するしつらい、工夫が日本人の心の琴線にふれるからだろう。遊びが文化、芸術になる。これほどのぜいたくはない――。

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